就業規則を作る前にぜひ知っておきたい8つのポイント
- 就業規則も労働契約の内容になる
- 就業規則は読みやすく、会社に合ったものを!
- 労働法違反は、無効!
- 就業規則には必ず記載しなければならない事項がある
- すべての労働者について定めをする
- 就業規則は会社の実態に合ったものを作ろう
- 社長の想いを伝える
- トップダウンで始めよう
6.就業規則は会社の実態に合ったものを作ろう
就業規則は、労働条件や職場で守るべき規律などを定めるものであり、就業規則に定めたことは、労働者と事業主の双方を拘束しますので、その内容は実態に合ったものとしなければなりません。
他社の就業規則やサンプルの就業規則をそのままコピーして自社の就業規則としている会社もありますが、そのような方法で就業規則を作成した場合は、実態に合わないものとなり、機能を果たさないばかりか、かえって労使間のトラブルの元ともなりかねません。
就業規則の作成にあたっては、現在職場で実施している労働時間、賃金などの制度や慣行を整理して、それをもとにしながら、改善したい点も含めて内容を検討することが重要です。
また、労働条件の変更や法改正により、1~2年に1回は就業規則の見直しを実施して変更を行ったほうが良いでしょう。変更をした場合、就業規則の届出義務がある事業場は、労働者代表の意見を添付してその都度労働基準監督署に届出をする必要があります。
ところで、実際の労使関係では、法令や就業規則、労働契約だけでなく、事実上の多様なルールが労使双方を規律しています。そのうちの特に労使の間で長期間にわたって反復継続して行われている取扱いや行為を労使慣行といいます。法令でも就業規則や労働契約でもない、労使慣行(すなわち会社の実態)が労働契約の内容になる場合もあります。
では、この労使慣行の効力について争われた事例(商大八戸ノ里ドライビングスクール事件 最高裁平成7年3月9日第一小法廷判決)を見てみたいと思います。この事例では、労働協約や就業規則とは異なる実態(労使慣行)がトラブルとなり、それが否定された例です。
<事例の概要>
Y社では、隔週ごとの月曜日を特定休日としており、この特定休日に出勤した場合は休日出勤手当が支給されていました。そして、労働協約には「特定休日が祭日と重なった場合、特定休日の振替は行わない」と定められていたにもかかわらず、昭和49年9月から昭和63年1月までの間に特定休日が祝祭日と重なった場合には、翌日の火曜日に出勤した従業員に対して、特定休日に出勤したものとして休日出勤手当が支給されていました。
ところが、昭和62年5月に勤労部長が交代してこの取扱いが表面化し、会社が昭和63年2月からこの取扱いを労働協約と就業規則通りに実施することとしたので、ある従業員らが休日出勤手当の支給を求めて、訴訟を提起した事案です。
裁判所は、従業員らの訴えを斥けました。
では、どのような場合に労使慣行が労働契約の内容をなすのでしょうか? これは、
- 長期間にわたって、反復継続していること
- それについて、労使双方が明示的に異議をとどめていないこと
- 特に使用者がそれに従うという規範意識に支えられていること
の3点を満たしてはじめて認められるということです。
このことからも、就業規則を作成(変更)する場合は、トラブル防止のために、会社の実態にあった就業規則を作成すべきであることがわかります。
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